過去のご挨拶

今までに掲載した 代表のご挨拶の保存

【2022年年頭】廣瀬 保彦(医療法人社団慧愛会 優ウィメンズクリニック)
この新しい年が皆様にとって幸多きものになりますよう心からお祈り申し上げます。
2021年は、勉強会の開催も会場型がコロナの影響でなかなか難しく少なくなってしまいました。オンデマンドとライブ配信を行えるようになりましたが、基本的には実技スクールを数多く行い技術的な勉強会を中心にしたいと思っております。
2022年3月に第一弾として腹部エコー実技スクールを予定しております。コロナの状況にもよりますが開催に向けて準備しております。また、2022年1月2月3月に日本超音波医学会認定超音波検査士の各回5単位を取得できるライブ配信を開催いたします。勉強会を長く続けてきたことを学会に認めていただけるようになりました。
今後も皆様の技術習得のために努力して参ります。本年も宜しくお願い申し上げます。


【2021年年頭】廣瀬 保彦(医療法人社団慧愛会 優ウィメンズクリニック)
明けましておめでとうございます
新しい年が素晴らしい一年になりますよう、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
昨年より続く新型コロナウィルス感染症により、感染予防策で超音波検査室の消毒や院外の行動規制など大変な事と思います。2020年は超音波検査法フォーラムでも勉強会の中止が多数ありました。今後、どのような形で勉強会を行っていくか世話人で話し合いを重ね、2021年の方針を決めました。会場型の対面式講習会の開催は、回数は少ないと思いますが感染予防を徹底した上で人数制限を設けて実施致します。加えてWEB上で講習会を配信致します。LIVE配信も行いますが、時間が合わない方の為にもオンデマンドでの配信がこれから中心となる方式だと考えます。オンデマンドは、専用サイトから受講料を支払って頂き何時でも何処でも視聴頂けるシステムです。何人かで視聴すれば受講料もお安く済みます。我々が一番大事にしている実技スクールに関しましては開催未定ですが、参加者・スタッフ全員にPCR検査を実施しての開催が出来るようになれば始めたいと思っています。今後も超音波検査の教育に貢献して参りますので、宜しくお願い致します。


                         

【2020年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
「継承」

明けましておめでとうございます
皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
「引き継がれなければ技術ではない」
私がまだ20代だった時に、初代代表の鶴岡尚志氏から聞いた言葉です。特定の誰かだけが出来る検査では駄目であるとはっきり明言され、とてもインパクトが強く今でも鮮明に記憶に残っています。確かに、伝わっていかなければその技術は消えてしまいます。それ以来、私は技術を引き継ぐということを深く考えるようになり、そのための研修会開催などを行ってきました。
さて、私が代表に就任してから間もなく6年が経ちます。初代鶴岡氏、二代目合木祐美子氏より超音波検査法フォーラムの精神を引き継いで参りましたが、3月末をもって3代目としての任期を終えることになりました。代表として至らぬ点もあったかと思いますが、会員の皆様、諸先生方、超音波装置メーカー様、そして何より支えて下さった世話人の皆様、顧問の金田智先生、若杉聡先生、大槻茂雄先生には心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2020年4月より新たな代表が就任致します。超音波検査の世界でも技術、知識は受け継がれ、さらなる発展への道を辿っております。当会はその発展の一助となるため、新代表の下、世話人一丸となって活動を続けて参りますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます

                           


【2019年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
明けましておめでとうございます

新春を清々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。
2018年に選ばれた「今年の漢字」第1位は「災」でした。北海道や大阪、島根での大地震、西日本を中心とした豪雨、台風、猛暑など様々な災害があった1年だったと思います。この「災」という漢字は2004年にもトップになっており、日本は本当に災害が多い国だということを実感します。
災害地において超音波検査は、DVT検診などで用いられており「災」とも関連が深くなっています。過酷な状況下で活躍されている超音波検査を実施する技師、医療スタッフの皆様には、本当に頭が下がります。最近は、持ち運びに便利な超音波検査装置の精度がとても高くなってきており、超音波検査は今後、さらに活躍の場が広がっていくように思います。こういった背景から、我々は災害時の検査についても勉強しておかなくてはならないのかもしれません。当会はこれからも、医療界のニーズに合った勉強会開催などの活動を続けていきたいと考えております。
今年は元号も新しくなり、より良い一年になることを期待したいと思います。
皆様に多くの「幸」が訪れることを心よりお祈り申し上げます。

【2018年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
「技術」の修得
明けましておめでとうございます
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
お陰さまで、今年は超音波検査法フォーラム創設から25年となります。会員の皆さまをはじめ、諸先生方、機器メーカー様には心より感謝を申し上げます。
ツイッターに「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と堀江貴文氏が投稿していました。寿司職人は「飯炊き3年握り8年」と言われており、1つ1つの過程をベテランから時間をかけて学んで1人前になるとされてきました。しかし今はインターネットが普及していることから、堀江氏は職人の知識を手に入れることに時間をかけるべきでないと述べているわけです。納得できる面もあります。
超音波検査ではどうでしょうか。同様にネットを利用して画像や論文が閲覧できるので、これを利用することで「知識」を効率よく修得できます。しかし「技術」をネットや書籍で修得するのは、今でも容易ではありません。プローブの微妙な当て方、圧迫、呼吸調整などは、体で覚えていくことができないからです。やはり、ベテランからの直接的な指導や、年月をかけての経験は必要だと思います。当会では、技術修得のための実技スクール、デモンストレーションを交えた研修会の開催に積極的に取り組んできました。これからもそのスタンスは変えることなく、活動を続けて参ります。
今年も1年、皆さんと共に成長していけたらと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。


【2017年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
腹部超音波スクリーニング検査 走査法の標準化にむけて
明けましておめでとうございます
腹部の超音波スクリーニングで、走査法を標準化することは非常に大切です。しかし現状では、施設、状況、環境、人など様々な理由で標準化されていません。同じ検査を行うのにバラバラの走査法で、正しい結果が得られるでしょうか。製造業の世界に置き換えて考えると、同じ商品を作るのに作り手によって製造法が異なっていたら、同じクオリティの商品にならないことはすぐにわかると思います。超音波検査でも同様で、標準化された走査法がなければ同じクオリティの検査結果は得られません。これは超音波検査の大きな弱点であり、携わる技術者全員で克服していかねばなりません。当会も、実践的な走査法を研究し、皆さんへお伝えすることが重要な任務の1つと考え、今後は走査法に関する研修会、検討の場を増やしてまいります。
当会は創立してから今年で24年目を迎えます。人で言うと26歳という年齢はまだまだ若いですが、創立されてからの年数と考えると短いとは言えません。これまで支えて下さった会員の皆さまをはじめ、諸先生方、各機器メーカー様には心より感謝を申し上げます。2017年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【2016年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
チームとしてのレベルアップ
明けましておめでとうございます<br>
新しい年が素晴らしい一年になりますよう皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
チームとして、超音波検査のレベルをアップさせるとはどういうことでしょう。
一言にレベルアップといっても、個人単位と組織単位の2通りがあると思います。個人単位は、参考書や研修会への参加、先輩からの指導、経験などが挙がります。一方、組織単位では、検査に携わるスタッフ全体がレベルアップしていくことを指します。どちらも必要なレベルアップですが、長期にわたって必要なのは組織単位のものです。現場では、1人が良い検査ができるのでは不十分で、誰が検査しても同じ結果を導くことができることが求められるからです。
組織としてのレベルアップにはリーダーが必要です。リーダーとなる者はどのようなチームを作り、組織としての役割を果たすかを考えねばなりません。後輩の指導、モチべーションを上げる、次世代リーダーの育成などの能力も求められます。リーダーを支える他のスタッフは、謙虚な姿勢で走査の技術、診断力等を高めていく必要があります。特に健診施設では、一通り検査ができるようになればそこでストップしてしまう方もいるようですが、それではいけません。1人で検査ができるようになることは目標ではなく通過点であり、勉強し続けることが大事です。あなたはどちら側の立場ですか?自分がチーム内で置かれている立場を見つめなおし、何を求められているのか、何が必要か、何をすべきかを考えて、実行に移してみてください。その先に、結果としてチームのレベルアップがあるのだと思います。

【2015年年頭】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
どうでもいいこだわり
明けましておめでとうございます。
昨年も当会の活動へご参加頂きありがとうございました。今後も皆さんが医療の現場で役立つような勉強会の開催、資料提供などをしていきますので、どうぞ宜しくお願い致します。新年を迎えるにあたり、私自身も目標を考えてみました。その時の参考になった本の言葉を紹介します。「どうでもいいこだわりをいかに減らすかが成長の鍵」(為末大:走りながら考える)。成長するには、役に立たないようなこだわりを捨てろと言っています。私は物事を考えすぎてしまうことが多いので、「考えすぎる」ことを捨て、行動に移していこうと思っています。皆さんはどうでもいいこだわりを捨てることができますか?

【2014年4月】伊藤正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ)
代表就任のご挨拶
皆様に於かれましては、ご清祥のこととお喜び申し上げます。
合木代表の後を引き継ぎ、超音波検査法フォーラムの代表を務めさせていただきます。初代鶴岡代表から数えると3代目になりますが、大役を仰せつかることとなり、身が引き締まる思いでございます。当会の活動は20年に渡り、現在の会員数は約1000人となりました。活動を支えてくださっている先生方、機器メーカー様、会員の皆様におかれましては、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、超音波に携るみなさんが「実践的な力」を身につけるための研修会、超音波検査を学ぶ環境を作るサポートを続けてまいります。誠心誠意努力いたす所存でございますので、何卒一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

【2014年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
一日一笑
皆さま方におかれましてはお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます
常日頃より、フォーラムの活動にご理解とご協力を賜り、感謝申し上げます。
先日「一日一笑」という言葉に出会いました。
皆さまもご存知、発明王トーマス・アルバ・エジソンは、近代の文化において多大な功績を残した傑出した発明家として知られています。生涯におよそ1,300もの発明を行った人物であり、また人々の生活を一変させるような蓄音器、白熱電球、活動写真、電話機などを世に送り出しました。
エジソンは「非常な努力家、不屈の人」などとして知られていますが、幼少のころは正規の教育を受けられず、独学で本を読み、コツコツと働きながら資金をためて研究をし、努力を積み重ね成功に結び付けました。
彼はどんな困難な中にあっても「笑顔」を絶やさない人であったといわれています。彼が設立した会社は現在も大きな社会貢献をしており、医療従事者の私たちにとっても頼もしい「パートナー」となっています。
私たちは、日々の業務の中で「いかにこの技術を患者さまのために活かしていけるのか」ということに思い悩むことが多いと思います。施設の状況や、マンパワーなど問題は施設ごとに違いますが、自身の抱える問題点をしっかりと捉えることは大切なことです。問題を解決する時、心に少しでも笑顔を浮かべることが出来たら、思いがけない突破口が見つかるかも知れません。笑顔=気持ちのゆとりと思います。
私たちフォーラムでは、年間30回を数える勉強会を通して、受講された皆さまの問題点の突破口を探すお手伝いが、そして、私たちの推奨する超音波検査技術によって、皆さまが笑顔を添えて患者さまに届けることが出来ることを、願っております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【2013年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
為せば成る
新年を迎えまして常日頃より当フォーラムの活動にご理解、ご協力を賜り感謝申し上げます。
皆様がたにおかれましては、希望に満ちた新年を迎え、今年の目標を定められた方も多いのではないでしょうか。
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」
これは皆様もご存知と思いますが、上杉鷹山公の名言の一つです。「やろうと思えばできる可能性があります。やらなければできません。やろうとすることは他人のためではなく、自分のためになるのです。」という解釈が一般的です。鷹山公は江戸時代中期米沢藩9代藩主として藩政の大きな改革を行い成功を収め、アメリカ元大統領から「最も尊敬する日本人政治家」と言われています。
私たちは新しいことにチャレンジをするとき、様々な方向から可能性を検討して目標に向かって進みます。超音波検査の勉強ももちろん例外ではありません。
「今年は超音波工学のこんなことが知りたい。」
「検査技術をもっと上達したい。」
「臨床側がほしい報告書を書くためにも、症例をたくさん知りたい。」
など、たくさんの疑問を持たれている方々の「学ぶ場」と「超音波検査に関する情報」を提供できるように活動をしてまいります。皆様が「為せば成る」と手ごたえを感じていただけましたら、大変光栄に思います。
本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。

【2012年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
一期一会
会員の皆様に、心より新春のお慶びを申しあげます。平素より当フォーラムの活動にご理解とご協力を賜わり、感謝申しあげます。
「一期一会」これは、もともとは茶道の心得を表した言葉です。千利休の弟子「山上宗二記」の中で「一期に一度の会」と記されているそうで「一期」は仏教語で人が生まれてから死ぬまでの意、「一会」は一度の出会いという意味です。「人生は無常かつ老少不定であり、今日の一日は絶対に二度とないことを肝に銘じ、今日の茶会は生涯ただ一回限りの茶会であると心得て、主客とともに誠心誠意をもって真剣にその会に対処すべき」と説いてあるそうです。  
私達は昨今年間30数回の研修会を開催しています。そしてのべ2000人以上の方がたと出会います。今回のMUSEでは、各研修会担当世話人がその活動を紹介しています。どんな時も、超音波検査の話を聴きたいという熱意をもって来られる方がたに、どのような形でお応えできるか、また超音波検査の知識と技術をどのように皆さんにお伝えしたいかの思いが綴られています。
大震災が起きてから今なお多くの方がたが困難な中、日々を過ごされています。その方がたを思い、研修会を終えるたびに、何事もなく終了できたこと、普通にやってきたことが普通にできることへ深い感謝を覚えます。
これからも研修会に参加される方がたの気持ちに寄り添い、毎回新たな気持ちでその一瞬を大切に思い、今できる限りの研修会「一期一会」の心を忘れずに今年も活動をして行きたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

【2011年4月】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
一般社団法人 移行のごあいさつ
本フォーラムは、一般社団法人および一般財団法人に関する法律が2008(平成20)年12月1日から施行されましたことに伴い、4月1日をもちまして、有限責任中間法人から一般社団法人へ移行しました。
今後も超音波検査の技術と知識の普及に寄与することを願い活動をしてまいります。どうぞ変わらぬご理解とご協力をお願い申しあげます。

【2011年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
以和為貴
会員の皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
日頃より当会の活動にご理解ご協力を賜わり、心より感謝申しあげます。
「和(やわらぎ)を以(も)って貴(とうと)しとなし」
これは皆さんもご存じ聖徳太子が1400年以上も前に作った十七条の憲法第一条です。
昨年は「チーム」という話題がたくさんありました。サッカーW 杯では「自分たちのサッカーはチームで戦う」と岡田ジャパンは最後まであきらめないすばらしい戦いを見せてくれました。また7年の歳月をかけ忘れた頃に無事地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は多くの科学者と人々の宇宙への夢を乗せ旅立ち、見事その任務を終えました。
それぞれが一つの目的に向かって様々な困難を乗り越えるために知恵を出し合い議論を交わし、葛藤し、やがてチームが一つとなりやり遂げることが出来たのではないでしょうか。「和を以て・・・」というのはただ仲良くしなさいと説いているのではなくお互いの私利私欲を捨て、理解し合えるよう努力しなさいと説いているとの研究見解が多いようです。医療チームの一人として超音波検査を通して自分は何をすることが出来るのか、現代の自分自身にも心に響く言葉と感じています。
私達フォーラムは超音波検査の知識と技術の普及を通して医療チームの一員としてどのように存在出来るのかを皆様とともに考え歩んで参りたいと存じます。
本年もどうぞよろしくお願い申しあげます

【2010年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
あけましておめでとうございます
会員の皆さまにおかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は当フォーラムの活動にご理解ご協力を賜わり、心より感謝申しあげます。
フォーラムの新年は、新年度の活動計画が出揃う頃です。一つの研修会が開催されるまでには会員の方々の声のみならず、講師を引き受けてくださる先生方のご助言、メーカーの方々のご協力と多くの方々に心をお寄せいただいております。支えられているという感謝の気持ちを心に留め、会員の皆様の日々の超音波検査業務に活かぜる新鮮な知識と良質な技術を伝えていけますよう、今年も世話人一同、活発な研修会活動を展開していきたいと思います。どうぞよろしくお願い申しあげます。

【2009年年頭】合木祐美子(世田谷下田総合病院)
会員の皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと、お慶び申しあげます
本フォーラム設立以来16年となり、これまでたくさんの超音波検査に関する研修会活動を展開してきました。会員皆様のご指示とご協力に感謝したします。
私が臨床検査技師になった頃、生化学検査は用手法から自動化へとめまぐるしい進歩を遂げていたときでした。しかし、どんなに分析機器が進化しても、その装置の中で何が行なわれているのか、測定原理が判らなければ、パニックデータの処理もわからず、ただ機器を動かしているオペレーターに過ぎません。超音波検査にも同じことが言えるのではないでしょうか。
近年の超音波検査機器の進歩も目覚しいものがあります。ともすれば、ボタン一つできれいな画像が得られるようになってきました。ただどうしてきれいに描出されるのか、忙しい検査の時にはなかなかその原理にまで思い至らなりません。しかし私達は、もっと自分が普段使っている超音波装置の中身、すなわち超音波の基礎、工学的なことに興味と理解をもち、それらの機能を駆使することにより、様々な疾患にみられる特徴的な超音波像とどう結びつくのかを、思い描くことができるのではないでしょうか。そこからまた新たな疑問が生まれ、自分の知識に枝葉が茂っていくのではないかと思います。
今年もフォーラムでは、幅広い内容の研修会の開催を予定しています。皆さんの知識の枝葉の一つになることができれば、大変光栄に思います。

【2008年年頭】鶴岡 尚志 (三宿病院)
伝えたい技術
超音波検査法フォーラムの活動を立ち上げたのは十五年前です。当時は腹部と心臓の領域がメジャーな検査で、この領域に精通することが検査に携わる者の目標でした。しかし昨今では超音波検査も様変わりしました。配属になった技師は、腹部、心臓は当たり前、表在、血管などの一通りの検査ができて一人前という状況です。ですから精通する間もなく、ひとつクリアしたら次へと領域を広げなくてはなりません。まるでスクロールアクションゲームのように。ただしゲームと違うのは、検査技術の修得にはゴールがありません。
一通りの検査ができるようになることは必要なことですが、楽しいことではありません。皆さんはいかがでしょうか。
私たちが伝えたい技術は、実は「一通り」の検査技術ではありません。超音波に興味を持つことで技術は成長します。深く知ることで楽しくなります。一通りの検査ができるようになったら、ご自分が興味を持てる領域をまずひとつ決め、深く知ることをしてみてください。検査に携わる皆さんが、この検査に楽しさや誇りを感じられるように、超音波検査法フォーラムは研修会で皆さんをサポートしてゆきたいと考えております。

【2007年年頭】鶴岡 尚志 (三宿病院)
修得のための術
会員の皆さまにおかれましては、穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
超音波検査法フォーラムでは年間を通じて研修会を活動の柱にしております。私自身も研修(=トレーニング) について時々考えることがあります。近年日本のアスリ ートの間で「古武術」を取り入れたトレーニングが関心をよんでいます。古武術の精神や身体の使い方に西洋式 のトレーニングにない自然な考え方や身のこなし方があ るからだと言います。古武術の第一人者の甲野善紀氏が著書で「学び」について書かれた一節です。『何か実演す ると、すぐに「どうすればいいんですか」と聞いてくる人がいる。なぜその動きが可能なのかと考える過程が「学び」だろうと思うのに』。
超音波の世界でも、まともな検査をしようと思えばたくさんのことを学ばなくてはなりません。安直に、できる人に聞いてしまうのも一法ではあります。しかしそれでは技術を知ることはできても、技術を習得することはできないでしょう。私たち超音波検査法フォーラムは、 超音波検査の技術を伝える側と修得する側の両面から会員皆さまの技術向上をサポートします。今年もたくさんの方がこの技術を習得できるように、現場で働く技師や 医師の手で研修会や出版を計画しております。参加される皆さんも「どう参加すべきか」を頭の片隅に置いていただけたら、より実り多い研修会になると思います。

【2006年年頭】鶴岡 尚志 (三宿病院)
感じることで学習する
私は長く超音波検査法フォーラムの世話人会代表をしてきましたので、年が明けるたびに活動を始めて何年と、当会の足跡を数えております。当会は今年で13年目を迎えようとしております。最初は6人で始めた同好会のような会でしたが、毎年仲間が増え、現在は研修会や勉強会ごとにスタッフが「自分たちの勉強会」を実現するために尽力されております。
解剖学者で「バカの壁」などの著書で有名な養老猛先生のエッセイで「人間は感じることで学習する」という言葉を発見しました。「人間は生後8ヶ月くらいで伝い立ちできるようになると、それまでとは全く違った視界を体験します。一歩踏み出すことで今まで見たことがない景色の変化を感じ、それは喜びとなります。その喜びが運動能力を学習させ、二足歩行という運動能力を学習してゆきます。二足歩行により手を自由に使えることで人間は知能を飛躍的に発達させるのです。」
新しいことを体験し感じることは誰しも嬉しいことです。そしてそれが学習の原動力になるというのも、とてもうなずけます。当会では発足当時から実技スクールをはじめとする体験型の技術講習会に力を入れてきました。お陰で受講された皆さんからは、おおむね喜びや満足の声が寄せられております。しかし、受講された方ばかりではなく、実は運営している私たちスタッフも様々な学習をしているのだと思います。今年もたくさんの会員、スタッフのみなさんと新しい体験を重ね、学習する喜びを共有してゆきたいと思います。