Q&A

超音波検査法フォーラム活動について

Q)超音波検査法フォーラムとはどんな団体ですか
A)超音波検査法フォーラムは、1993年から超音波検査の検討と普及を目的に研修会、検討会、出版などの活動をしております。指導者もなく一人でがんばっているみなさんのためにこの検査を早く確実に身につけるにはどうすればよいのか、学ぶ場を提供しています。 現在首都圏を中心に活動しており600人を超える会員がいらっしゃいます(昨年度末は4,000名を超えておりましたが、現在会員様に再登録をお願いしており再登録していただけた人数です)。研修会に参加するみなさんは、教わって帰るのではなく、ご自分の疑問をはっきり聞いたり、ご自分の手で研修会運営のお手伝いをしたりお互いを助け合うシステム、それが超音波検査法フォーラムです。年間30回を超える研修会を開催しますので、その中からあなたが求める研修会に参加してください。
Q)フォーラムの上手な活用法を教えてください
A)超音波検査法フォ-ラムが皆さんに提供している研修会は 大別して実技スクールと研修会です。2つの違いは実技スクールでは少人数の班編成での“実技”の個人指導を,研修会ではレクチャーやデモンストレーションを中心に行ないます。実技指導があるかないかの違いです.下記を参考に皆さんのニーズに合わせてご参加ください.
「超音波検査法セミナーの上手な活用術」
① 腹部エコー初心者研修会
 プローブを持ったことのない人から経験1年未満までの人を対象に,プローブの動かし方、肝・胆・膵・腎の解剖と基本断面の出し方、基本的な工学の知識、装置の基本的な操作までを勉強していきます。

② 腹部エコー実技スクール
 フォーラム推奨の“基本走査法”を,少人数の班編成で実技を徹底的に学びます。 ご自身の走査法を確認したい方、基本走査法を修得して技術向上を目指す方にまず受けていただきたいセミナーです.

③ 腹部エコー中級者研修会
 あなたのルーチンワークをさらにレベルアップ  自信がもてない臓器の解剖と死角,それを克服する走査法 さらに病変の描出までをデモンストレーションを交えて解説していきます。自らの視野を広げたいと考える方に最適

④ 腹部エコー症例勉強会(参加登録必要)
 年間参加登録をしていただき一年間じっくリグループディスカッションで症例を学んでいきます。 都内2か所での開催で、毎年参加募集開始後すぐに満席となります。 年1回の合同症例勉強会は公開で開催されますのでどなたでも参加できます。

⑤ 超音波診断レクチャー
 超音波の基礎から腹部から表在まで各領域ごとの画像診断法までを学びます。様々な症例の画像を頭に叩き込みたい方にぜひ 各回ユニークでちょっと深い内容のテーマを設けてレクチャーします.画像のしくみや症例を知り,あなたの診断力をさらに強化してください.

⑥ 頸動脈エコー実技スクール
 頸動脈エコーをこれから始める方、始めたばかりの方を対象に基本断面の出し方、計測時のコツや気をつけるところなどを学びます。もちろん少人数での班構成です。毎回募集後間もなく満席となります。

⑦ パワーアップ超音波検査
 超音波工学の勉強会です。難しい よくわからない 苦手と言われがちですがそこをわかりやすく取り組みやすくをモットーに楽しく学べる工学の知識を目指しています。
Q)体位変換について:時間がかかり教わった手順どおりにできません.
  /先輩技師の手順が気になるようになりました(悪い意味で…)
A)基本走査法は,実技スクールで教わって即できるようになるわけではありません。しかし実技スクールで腹部スクリーニングにおける走査法の考え方や原理を教わったのですから,必ずものになるはずです.技術として身につくまでには修練が必要です.また先輩や先生の走査法との矛盾にも気付くことが多いと思いますが,良いものは良いと信じて努力してみてください.
Q)フォーラムの“基本走査法”には腹臥位(うつ伏せ)での腎臓の観察が入っていないが何故ですか.
A)腎臓を腹臥位で検査する目的は,腎臓が呼吸によって移動するのを抑制することにあります.したがって乳幼児や老人などで息止めが難しいケースではメリットがあります.その反面,腹臥位では背部からのアプローチに限られてしまうため死角のない走査をするのが難しくなることや,この走査を手順に組み込むと腹部の走査の途中でエコーゼリーを拭き取らなくてはならないなどのデメリットがあります.フォーラムの“基本走査法”は体位変換を使って効率よく死角をなくしてゆく走査法ですので,そのメリットとデメリットを考えた上で,腎臓には側臥位→座位を組み合わせた走査法を推奨しています.
Q)腸管や虫垂の検査では体位変換は必要でしょうか?
A)虫垂も大腸も通常は、体位変換を行わなくても描出できることができます。ですが、虫垂・結腸脾彎曲部・肝彎曲部などが映りにくい場合には側臥位を使うと確認しやすくなりますので、場合によっては体位変換が必要です。
Q)「事前申し込み不要の勉強会は、定員オーバーになることはないのですか?」
A)セミナーごとに十分な定員の会場を用意しておりますので、安心してお越しください.事前申込みは、受講者の皆さんにとって、遅れて到着しても席が確保されている安心や、配付資料を過不足なく準備し無駄を出さないなどのメリットがある反面、デメリットとして申込みの手間をお掛けすることになります.参加者の身になってできるだけ負担のないセミナーを運営してゆきたいと考えております.あともう一つ、事前申込みの隠れたメリットをご存じでしょうか?開催案内を見て事前申込みをすることで積極的に日程を空けてセミナーを楽しみにする.皆さん今まではそのようにされてきたと思います.セミナーに対して「熱意を持って臨む受講者」をお待ちしている超音波検査法フォーラムでは、このような積極性を大切にしたいと考えております.ですから事前申込みがなくても「日程が空いているからセミナーに行ってみよう」にならないように、知ることの喜びや熱意をもってセミナーにお越しください.
Q)「非会員だと講義を聴くのにデメリットがあるのか?」
A)超音波検査法フォーラムの「会員登録」は年会費をいただいているような固定的な会員ではありません.セミナーのお知らせやフォーラムの動向 超音波検査の情報をお知らせするメールマガジン「MUSE Letter」を配信する登録とお考えください.したがって会員登録は、セミナーに参加するにあたり、メリットもデメリットもありません.ただし、超音波検査法フォーラムは超音波検査に関わる人たちのネットワークと考えております.一人ではできないこともたくさんの人が集まれば力となりさまざまな可能性が生まれます.どうぞセミナーに参加するのであれば、会員登録をお願いします.
Q)「プローブは拭くだけではだめですか?消毒したほうがよいのでしょうか?」
A)この質問は第14回画像診断レクチャーの講義から出た質問です。そこで大島智之さん(東芝メディカル東京サービス株式会社)へ回答をお願いいたしました。 超音波診断装置の取り扱いの中でプローブは特に注意が必要です。院内外の感染症予防のためにまず使用前の手洗い、使用後の拭き取り、清掃さらに水洗い。必要に応じて薬液による消毒・滅菌を行う必要があります。超音波診断用プローブは、術中や対腔内挿入、臓器穿刺に使用されるケースが増えており、このような方法で使用されているプローブは消毒・滅菌が必要となります。たとえ体表用として使用されるプローブであっても、感染の予防の為に消毒・滅菌が必要となる場合があります。また、電気的な安全面では、プローブは内部に電圧を印加して超音波を送信していますので、外装が破損した状態で使用されますと、洩れ電流による感電事故の危険があります。以上のような背景から、装置取り扱いの説明書の中にプローブの管理方法や消毒・滅菌方法について記載されるようになりました。
○取扱説明書(清掃・消毒・滅菌について)より
①検査終了後は、超音波ゲルを十分に拭き取って下さい。超音波ゲルが固まりプローブの性能が十分に発揮できないおそれがあります。
②感染予防のため保護手袋をして清爽・消毒・滅菌を行って下さい。
③検査開始時および終了時には、必ずプローブを清掃して下さい。また必要に応じて消毒または滅菌を行って下さい。プローブが感染症になるおそれがあります。
④穿刺術の前後には、プローブや穿刺アダプタを清掃し、必ず滅菌して下さい。プローブや穿刺アダプタが感染症になるおそれがあります。
⑤薬液による消毒を行った後は、滅菌水により十分に洗浄して下さい。プローブに残留した薬液は人体に有害です。

○注意事項
①消毒・滅菌の効果については薬品の製造メーカーに確認が必要です。
②消毒・滅菌の条件については過去に納入されたプローブの取扱説明書とは、多少の違いが生じていることがあります。不明な場合には、各メーカーに直接お問い合わせ下さい。

 最後になりましたが、超音波診断装置の取り扱いを行うものとして皆様と一緒に努力してまいりたいと思います。 「感染はあなた自身の不注意から! 安全はあなた自身の努力から!」
 大 島 智 行   東芝メディカル東京サービス株式会社
Q&Aでは皆さんからの超音波検査に関する情報やご感想などを募集しております. 下記アドレスまでメールにてお問い合わせください。
超音波検査法フォーラム事務局  jimu@museforum.org